専門技術チーム(7工種)の紹介

当社は、多種・多様な知識や経験・技術等を持つ人材を「知的資産」として監理し、 効果的に活用するため、積算技術業務及び技術審査業務にそれぞれ「積算技術部会」、「技術審査部会」を設置し、運営しています。

そのような状況のなか、平成28年4月14日と16日に起きた「熊本地震」により甚大な被害が 発生し、特に阿蘇地方では国道57号の斜面崩落、国道325号阿蘇大橋の落橋、長陽大橋の 損傷等のほか、俵山トンネルの崩落など大規模な被害を受けました。

国土交通省においては被害を受けた施設等の早期復旧に向け、これまで実績のある多種・多様 な工法に加え、今回の被害に特化した新技術・新工法を用いた工事発注が数多く行なわれて います。当社においてはこれらの積算に対応するために、これまでの積算実績や経験等を最大 限に活用し、発注者支援を行っているところです。

平成29年5月25日には、これらの経験を生かし更なる専門性を高めるため、積算技術部会 に『専門技術チーム』(7工種)を発足し、発注者を支える技術者集団(シンクタンク)を目指して 取組んでいます。

専門技術チームの目的

●本チームは、担当技術者のスキルアップのための教育・指導を行う。
●各支店の業務遂行上の課題解決のためにアドバイス等を行う。
●大規模災害発生時や繁忙期等により支店支援が必要な場合、支援を行う。

チーム編成

チーム構成は、チームリーダー、サブリーダーの他、担当者により組織する。
●構成メンバーは、専門技術者のバラツキをなくすため、各支店から選出する。

専門技術チームの体制
目的達成に向けたチーム独自の取組みについて紹介します
トンネル工(NATM工法)チーム

トンネルは、「一つとして同じ山はない」と言われ、地山条件、立地条件から工事の安全、周辺環境に与える影響、経済性等を考慮した工事積算が求められています。

そのために、これまでのトンネル積算の実績に基づいた「積算マニュアル」の作成及び「積算事例のアーカイブ化」など以下の項目について取り組んでいます。

  1. 「積算マニュアル」や積算事例を活用し、担当技術者へ作業フローや基本的な考え方等を含めた指導、アドバイスを行い、スキルアップを図り、技術力の継承を行います。
  2. 高度な技術、専門知識が必要であるため、業務支援を積極的に実施し積算精度の向上、品質の確保及び円滑な業務遂行に努めています。
  3. スキルアップを目的とした、現場見学会を開催し、現場の実情に合った施工や補助工法などを見て学ぶ教育(現場を知ること、現場条件をどのように積算設計に反映させるか)を進めています。

橋梁上部工(鋼橋)チーム

鋼橋は軽量で高耐荷能力を持ち、長い径間(スパン)でも施工可能な橋で、長大橋の大半は鋼橋です。種類や架設工法も多様であり現場条件、経済性等を考慮した工事積算が求められています。

そのために、これまでの鋼橋上部工の積算実績に基づいた「積算マニュアル」「若手技術者育成のためのテキスト」の作成及び「積算事例のアーカイブ化」など以下の項目について取り組んでいます。

  1. 「積算マニュアル」や積算事例を活用し、担当技術者へは鋼橋積算に基づく考え方等について指示、アドバイスを行うとともに、若手技術者に対しては「若手技術者育成のためのテキスト」を用いスキルアップを図り、技術力の継承を行います。
  2. 高度な技術を必要とする積算については、業務支援を行い積算精度の向上、品質の確保及び円滑な業務遂行に努めています。
  3. 技術力向上のため施工中の鋼橋現場見学会の企画、実施、各種団体の主催する研修会に参加するなど鋼橋積算のプロを目指し日々活動を行っています。

橋梁上部工(コンクリート)チーム

コンクリート橋はRC・PC橋と大きく区別されますが、橋種、架設方法も多様で、架設機械の選定等を含め現場条件、経済性に考慮した積算が求められています。

そのために、これまでの積算実績に基づいた「積算マニュアル」の作成及び、「積算事例のデータのアーカイブ化」など以下の項目について取り組んでいます。

  1. 「積算マニュアル」や積算事例を活用し、担当技術者の育成、指導を行い、質疑・問題点に対しては蓄積した積算データ等を基にアドバイスを行い、スキルアップを図り、技術力の継承を行います。
  2. 特殊な橋梁等の積算については、業務支援を行い積算実績に基づいた専門的な指導を行うことにより積算精度の向上、品質の確保及び円滑な業務遂行に努めています。
  3. 社内ネットワークを活用し、時々の変化にも対応しつつ、効果的且つ効率的な活動ができるようにチーム一丸となって取り組んでいます。

地盤・基礎工チーム

軟弱地盤対策と杭基礎は、構造物を構築するために重要であり、多種多様な工法や新技術があります。現場状況や施工法等を含め現場条件、経済性を考慮した積算が求められています。
そのために、これまでの積算事例や施工実績等に基づき「積算事例のアーカイブ化」など以下の項目について取り組んでいます。

  1. 積算事例や施工実績等を活用し、担当技術者へ軟弱地盤対策と杭基礎の適切な指導及びアドバイスを行うことによりスキルアップを図り、技術力の継承を行います。
  2. 施工実績のない支店へは業務支援を行い専門的な指導を行うことにより積算精度の向上、品質の確保及び円滑な業務遂行に努めています。
  3. 技術力向上のために現場見学会や技術講習会に積極的に参加し、定期的な技術交流を行いチーム力の強化と専門技術者の自己研鑽に努めています。

法面対策工チーム

法面対策は、のり面・斜面の安定にかかる崩壊現象のうち、主に土砂崩壊、落石、地滑り、土石流へ対策を施し、道路などの法面部の災害発生を未然に防ぐものです。現場状況や施工方法等を含め現場条件、経済性を考慮した積算が求められています。
そのために、これまでの積算事例や施工実績等に基づき「積算事例のアーカイブ化」など以下の項目について取り組んでいます。

  1. 積算事例や施工実績等を活用し、担当技術者へ法面対策の適切な指導及びアドバイスを行うことによりスキルアップを図り、技術力の継承を行います。
  2. 施工実績のない支店へは業務支援を行い専門的な指導を行い、積算精度の向上、品質の確保及び円滑な業務遂行に努めています。
  3. 各対策工法についての専門知識を深め、高精度な技術を習得し適切な積算を行える人材の育成を行うために現場見学会や講習会等へ参加し技術力の向上に努めています。

構造物補修工チーム

構造物補修は、橋梁・トンネルなどの損傷箇所の修繕や耐震補強などを行いインフラ施設の長寿命化を図ります。
新技術・新工法による積算が多く現場条件、経済性を考慮した積算が求められています。
そのため、これまでの積算実績を基に「積算運用(案)」の作成及び「積算事例のアーカイブ化」など以下の項目について取り組んでいます。

  1. 「積算運用(案)」を活用し担当技術者へ構造物補修に関する高度な専門知識、最先端の技術の指導、アドバイスを行うことによりスキルアップを図り、技術力の継承を行います。
  2. 専門知識、施工実績等が必要な支店へは業務支援を行い、これらのデータ等を活用し、積算精度の向上、品質の確保及び円滑な業務遂行に努めています。
  3. 構造物補修工に特化した人材のみならず、社会資本の全体の維持管理に精通した専門技術者の育成を目的とし、現場見学会の企画、実施や構造物補修講習会等に積極的に参加し、技術力の一層の向上に努めています。

DX推進チーム

社会経済全体のデジタル化が進展し、DXに向けた取り組みが様々な分野で本格化する中、国土交通省においても、ICT、AI、BIM、CIMなどを活用したインフラ分野のDXの取り組みが示されたことから、このような技術革新の動きに対応するために令和4年4月本社にDX推進室を設置しました。
このDX推進室をシステムを活用した業務の生産性向上を目指し、会社全体を一体的に進めるために、以下の項目について取り組んでいきます。

1.人材育成

UAV、3Dスキャナ、3Dパソコン等の情報機器の技術を習得するには、機器に関する知識と操作技術が必要なため、それらの知識力、操作力向上のための取り組みとして、マニュアルの整備や外部講習会の参加、熟練者による技術的指導など組織的、計測的に人材育成に取り組みます。

2.業務執行等改善に向けた環境整備

業務の生産性向上、GX(脱炭素化)の推進、県境なき積算体制の一元化など業務執行等改善に取り組みます。
また、DX推進のための情報機器のハード整備やシステムの構築、社内ネットワークの効率化を図ります。


熊本地震による被災からの復旧状況(南阿蘇村立野) 令和2年8月
地盤・基礎工チーム 現場見学会
構造物補修工チーム 会議状況
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